組織開発の実践と学習のコミュニティ

第1回シンポジウム レポート

2010年5月15日(土)に、北青山のクロスコープにてODネットワークジャパンとしての初の第1回シンポジウムが開催されました。

当初は30名限定の予定でしたが、予想を超えた45名の参加者に集まっていただきました。ご参加いただいたのは、企業経営者・従業員の方・コンサル タント・学生など様々な立場・年齢(85歳~22歳)の方々でした。

シンポジウムの流れ

まず、代表理事の甲南大学・西川教授より、ODネットワークの世界的な大会が2014年に日本で開催されること、ODネットワークジャパンがその受 け皿になることが発表されました。そして、「組織」というものが絶えず変化し続け、正解の無いものである以上は、企業内の変革実践者(クライアント)・大 学や研究機関などの学術的研究者(リサーチャー)・外部からの変革者(コンサルタント)が三位一体となって、研究と実践のサイクルを回していくことが必要 であり、それこそがODネットワークの目的であるというお話が、海外の現状との比較を交えて説明されました。

次に、理事の株式会社シー・シー・アイ大島代表より、組織開発の定義と歴史が端的に説明されました。特に組織開発コンサルタント・マーシャク博士の 「変革マネジメントと組織開発の違い」は、現在の組織変革における悩みそのものだったように思います。さらに「実際の企業の中で何が起こっているのか、組 織が代わる切っ掛けはどんなところにあるのか」について、コンサルタントとして実際に介入して行く生々しい体験と、結局は「いかに真摯に悩み続けるか」が ODの原点だと言う話がありました。

基調講演の後、ワールドカフェ方式で、ODの4つの価値観の中から、「デモクラティック」を取り上げ、「これからの社会に必要とされる民主的である 事は何か」を参加者同士の対話から深めていきました。それぞれがご自分の体験を踏まえて真剣な討議で盛り上がりました。あるグループでは、サークルのリー ダーをしている学生の「実力もモチベーションも差異のあるメンバーをどのように活性化するか」という悩みに対して、企業取締役から、各人の役割責任を再設 定していくことの体験的アドバイスがあったり、別グループでは、「結局組織はリーダーの質の問題に過ぎないのではないか」「いや、リーダーありきの組織論 はおかしい」といった議論があったりなど、立場を超えて「より価値のある組織とは何か」という白熱した議論がなされました。

最後は今後のシンポジウムや勉強会などのスケジュールが発表され、西川代表理事からは「ODネットワークジャパンは、まさに今日のような話し合いを していける場にしたい」という締めの言葉がありました。その後同会場にてささやかな懇親会も実施され、そこでも和やか且つ真剣なやりとりが見られました。

参加者の声

参加された方からは以下のようなコメントをいただきました。

  • ODネットワークジャパンの志とオモイが伝わった
  • 今後も勉強会などを通じ理論や実践における情報を共有したい
  • セッションが面白かった
  • こんなにも組織を良くしたいと考えている方がいらっしゃることがわかり、ODネットワークジャパンの可能性を感じました
  • 年齢・職種を問わず、組織に属している人が感じていることが同じだったことは発見でした
  • 日ごろ接することの無い人の考えが聴けて楽しかった。大きなネットワークになるように期待します
  • 一人ひとりの価値観の違いを伝え合い認め合うこと自体に大きな価値があることを実感しました
  • 期待以上の会でした
  • 心が温かくなりました
  • 組織内で本日のような話し合いが行われるとよいと感じました
  • 日常の業務の中で自らの経験で得た知識・ノウハウが体系的に整理されることに感動しました
  • 国際展開を期待しています
  • 変わることは厳しいですが、変わらなければならないことを感じました
  • ODをもっと知りたい
  • “悩む”と言うことに尽きる会でした

シンポジウム終了直後に会員登録を申し込まれる方も複数いらっしゃって、嬉しい限りです。ご参加頂いたみなさまには改めて御礼申し上げます。ありが とうございました。

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