3月11日の震災の影響で、3月12日に予定していた勉強会は延期となりました。
この未曾有の混乱状態の中で、ODネットワークジャパンとしてどのように活動をすべきか模索しておりましたが、東日本大震災を含めた対話会を行なう事から活動を再開しようということになりました。
3月31日、笹塚にあるタイワハウスにて「わたしの心の中のOD(つながり)」 というテーマで対話会を開催いたしました。
今回は、過去の勉強会とは趣を変え、特にゲストスピーカーはお呼びせず、またODの体系だった勉強をすることでもなく、とにかく集まった方が、「今何を感じているのか」を持ち寄って、それを共有する場といたしました。
呼びかけに集まっていただいたメンバーは、常連の方もいらっしゃいましたが、ツイッターで興味を持ちはじめて参加する方、学生さんなどバラエティーに富んでいました。中にはご家族が石巻で津波を受けてようやく数日前に連絡が取れたという参加者もいらっしゃいました。
まずはじめに、チェックインとしてひとりずつ、この場に集った今の気持ちを話した上で、自由に「この人の話を聴きたい」という人と3人一組になり、今の気持ちの「聴き合い」を行いました。
私は学生さんと同じグループになったのですが、「就職の意味が震災を機に全く変わった。それまでは自分を成長させるために仕事につくことを考えていたが、今は自分が謝意会にどのように貢献できるかを判断基準としている」というお話が印象的でした。他の方のお話からも、今回の震災が、私も含めて各人の価値観に何らかの影響を与えていることを強く感じました。
次に、参加者から「改めて今話したいこと」をテーマ出しを行い、そのテーマに興味を持った人事に小グループを作ってセッションを行いました。
テーマは「日本をどう再生するのか」という公の話から、「震災後の自分の今の精神状態はどうなっているのか」という個の話まで幅があり、そしてどれもが切実で重要なテーマであったため、どのグループに属するか大いに悩みました。「日本をどう再生するのか」というグループにおいては、「経済や建物などのハードの再生も重要だが、3月11日以降の我々日本人の価値観をどのように再設定するのか」という掘り下げもされました。
小グループの熱のこもった話し合いの後、最後にチェックアウトとしてひとりずつ「今日持ち帰りたいこと」もしくは「ここに置いて帰りたいこと」をひとつずつ発表しあいました。
その中で「直接津波を受けていない我々も、放射能の恐怖やメンタルダメージなど、ある意味被災者という自覚が必要である」「震災後の気持ちの折り合いがつかなくて不安定なことは、自分自身が認めてもいいんだ」「ここで気持ちを聴いてもらってようやく落ち着いた」といったお話が出ておりました。
全体を通して感じたのは、今回は特に組織開発(OD)には焦点をあてたものではありませんでしたが、「多様な価値観をもった個人が集まり、互いの価値観を認め合い、新たな価値観を考えるプロセスを通じて個人と集団が成長していく」という、ODの源流に触れた気がしました。
補足:
対話会の中で出てきたテーマは以下の7つです。
- 日本をどうたてなおすか(120%)
- この震災をどうやったら自分に引き寄せられるか(消化できるか)
- 被災地には何ができるか
- 原発とどう向き合うか
- これからどうするのか
- 自分が今どうなっているのか
- 自分の幸せとは