登壇者:西尾智之(株式会社 西尾硝子鏡工業所 代表取締役)
日 時:8月30日(土) 15:00〜16:30
場 所:D401号室

講演内容

西尾硝子鏡工業所は、1932年創業からの長きに渡り、一般板ガラス・鏡の加工卸、内装工事を主業務としている。「スーパーブランド」といわれる百貨店のテナント、ブランドショップをはじめとして、ホテル、病院、レストランなどでの工事およびショーケースなどの加工ガラス制作を行っている。また、主力の内装分野にとどまらず、自社の創業の製品である鏡の用途開発として、太陽熱発電用の屋外用ミラーの開発を断行し、業界初となるアブダビ首長国への大量納入を実現した。2013年には東京商工会議所の『勇気ある経営大賞』の優秀賞を受賞。そうした輝かしい実績の背景には、現社長の幾度かの困難を乗り越えるべく組織作りと新規戦略挑戦を行ってきた歴史があった。2000年に33歳で事業承継をした直後は、老舗企業ならではの黙示的規範と戦いながらも、企業を次の世代につなげるために経営努力をおこなってきた。しかし、リーマンショックにより国内需要が激減。業績悪化を打破すべく、海外有名ブランド向けショーケース受注への挑戦を開始し、ガラス断面を45度の角度で貼り合わせるという手法を確立した。一方で、2011年よりODを本格的に導入し、「社長一人で引っ張るのではなく、経営チームとして会社を良くしていく」という狙いで5人の幹部社員を任命する。彼らを中心として全社も巻き込みながら、ビジョン統合ミーティングを行うなど、社員一丸となった様々な組織作りの施策を打った。特に社長と幹部社員同士の信頼関係構築と問題意識の共有を繰り返しながら、見事リーマン後の業績悪化からのV時回復を成し遂げることができた。現在では匠の技とアナログ的感性によって、他社では手掛けることが難しい高付加価値商品を生み出し続けている。

登壇者情報

1967年生まれ。父の他界により勤めていた総合商社を退社し、1993年に西尾硝子鏡工業所入社。積極的営業を展開し、父の跡を継承していた母に代わり2000年、3代目代表取締役社長に就任。同年株式会社に組織変更。全力で、お客様とパートナーのような関係を築き、お客様と職人が共に笑顔になれる会社創りを目指してきた。2011年度より「家業から企業への変革」を目指して、本格的にODによる組織変革に取り組む。外部コンサルタントの力も柔軟に取り入れながら、社員と共にビジョンを共有し、経営チームを創りあげてきた。現在も100年企業を目指して理想の会社組織を実現するために日々努力をしている。そのベースにあるのは、尽きることないものづくりの情熱である。趣味は水泳とウオーキング。
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