登壇者:吉田貴久(株式会社ビジネスコンサルタント 取締役 専務執行役員)
日 時:8月31日(日) 11:00〜12:30
場 所:D301号室
講演内容
□発表内容:ミドルサイズ企業における「経営視点での組織開発」
「経営視点での組織開発」について、実践家としてお話しさせていただきます。
1. BConと組織開発について
2. アジリティーコンセプトについて
3. 取り組み事例
4. 我々の学習した教訓
5. 質疑応答
□背景となる大切にしてきた考え方
(1)「組織はトップが変わらないと変革しない」
昭和40代から組織開発のパイオニアであるコロンビア大学のウオーナーバークとの強力なネットワークによりアメリカの最先端のODテクノロジーの導入を積極的に行ってまいりました。昭和40年代当時の弊社での組織開発はTグループが主流でした。C.アージリスの仮説にあるように「組織はトップが変わらないと変革しない」という前提で企業の幹部・管理職にTグループを実施していきました。かなり強烈なものであったと思います。現在は、Tグループの本質を大切にしながらも、現代にあった進め方をしています。
環境変化とともに弊社での組織開発の取り組みは変遷を遂げていきます。チームの一体感、規範チェンジ、組織文化の変革、制度・システムへの介入、外部環境の変化への対応としての戦略介入などを経て、現在は組織のトータルアプローチでの顧客価値追求に変わってきています。
(2)トップの旗振りを元にした、ミドルアップ・ミドルダウン
私どもが大切にする組織開発は、常にトップの視点で計画することを実践しています。ASTDなどでも米国のODプラクショナーは比較的人事担当者・教育部門が中心の機能役割が多く、本当に組織全体の成果や効果性に貢献できているのか、という問いかけがあります。日本でも、ODを専門に担当する方々が組織のラインマネジャーである事業部門やライン長との強力な結びつきがあるとは限らないことが多いようです。
もちろん人事教育部門からのニーズである人材育成(階層別・部門別)も大切にしています。しかし組織開発の取り組みは人事育成の領域だけにとどまらず、最も変革に影響するラインマネジャーの変革への取り組み(ミドルアップ・ミドルダウン)が必要になります。
(3)クリス・ウォーリーの「アジリティー」コンセプトに基づいた組織開発
経営視点の展開を可能とするため、様々な介入方法を活用しています。(サーベイフィードバック、経営チームビルディング、エグザクティブコーチング、OST,FSなど)
取り組みに際しては、クリス・ウォーリーの「アジリティー(機敏)な組織」をベースに展開しています。(ダイナミックケイパビリティー論を背景としている)
登壇者情報
株式会社ビジネスコンサルタント 専務取締役(2013年3年より現職)
1978年大学を卒業後、同社に営業職として入社。営業部長を経た後、コンサルタント職に就く。日本を代表する電機メーカーや総合家電メーカーなど従業員数1000名以上の大企業をはじめ、中小企業、オーナー企業をクライアントに持ち、20年以上の豊富なコンサルティング経験を誇る。取締役として自社の経営に参画する一方、1か月のうち8割以上の時間をクライアント先でのコンサルティングに捧げる現役トップコンサルタントでもある。
専門領域は上級マネジメントスキルの向上支援、組織文化の変革コンサルテーション、エグゼクティブコーチなど
近年は組織の機敏性を重視するクリス・ウォーリーの主張に共鳴し、経営視点に基づいた組織開発に取り組んでいる。