登壇者:貴島耕平(神戸大学大学院経営学研究科 博士課程後期課程)
日 時:8月30日(土) 13:00〜14:30
場 所:D501号室
講演内容
本セッションでは、日本企業で組織開発を担っていく実務家に対して行ったインタビュー調査をもとに、組織開発のアイデンティティについて検討していく。
組織開発は、実務における有用性を重視し、多様な手法や理論を取り込みながら発展してきていると言える。しかし、この発展の一方で、多様な手法を統一する理論的基盤の整備や、検討は十分になされてこなかったことが指摘されている。研究者たちは、この問題を指して、「組織開発のアイデンティティの危機」と呼んでいる。本セッションでは、この問題を検討しながら、組織開発のアイデンティティについて議論していく。
さらに、本セッションでは、2013年に関西生産性本部が派遣した訪米組織開発調査団の参加者に対して行ったインタビュー調査についても報告する。この調査から、日本における組織開発実践の現状を明らかにすると同時に、その実践から見えてくる、組織開発のアイデンティティについても議論を行う。組織開発のアイデンティティを、実践的視点から捉えていくことが、本セッションの目的である。
登壇者情報
1987年、神戸生まれ。2012年4月から神戸大学大学院経営学研究科博士課程後期課程所属。専門は組織行動論と経営管理論。金井壽宏教授の研究室に所属し、個人の自発性や主体性を尊重し、組織的成果に結びつける理論や手法を探究している。また、学説史研究も行っており、組織開発の起源の一つとして言われる、社会技術システム論(socio technical system theory)の今日的含意について研究している。